平素は地域協議会の活動にご理解いただきありがとうございます。
今年度の「地域のひろば(第25号)」を作成いたしましたので以下にお届けいたします。
(より見やすくするために、今回よりホームページへの掲載とさせていただきました。)
今後ともよろしくお願いいたします。
人材派遣協会の動きと当協会の取り組み
一般社団法人日本人材派遣協会会長 水田 正道氏
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中部地域協議会の皆様には、派遣協会の活動及び運営につきまして、日頃より格別のご支援とご理解を賜り、この場をお借りしまして厚く御礼申し上げます。
さて、景気は緩やかに回復しており、雇用情勢を見ますと2018年7月の有効求人倍率は全国1.63倍と引き続き堅調に推移しております。
今年6月「働き方改革関連法」が可決成立し、施行に向けて労働政策審議会での検討が進められているところです。
派遣業界としては、長時間労働の是正はもとより、同一労働同一賃金の実現に向けて派遣社員の職務に適した処遇と能力の向上に伴う処遇に尽力し、派遣社員のキャリア希望に伴奏するサポートを実施していかなければなりません。
また高齢者や若年層、子育て世代など多様な働き方のニーズを持つ方にも、労働市場に参加しやすい環境を整えていくことが益々期待されております。
当協会の取組みとしては、派遣法をはじめとした労働関連法規の改正情報を会員にお届けするために関連行政の動向掌握に努め、必要なセミナーの開催や会員サイトの充実、労働関連法規の知識向上のためのeラーニング拡充などを行ってまいりますので、ぜひともご活用いただければと存じます。
今後一層、派遣社員にとって有意義なキャリア形成と雇用の安定を実現すると共に、我が国の更なる発展に貢献して参りたいと存じます。
最後になりますが、中部地域協議会会員の皆様の一層のご発展をお祈りすると共に、引き続き倍旧のご支援を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
労働者派遣事業の動向等について
愛知労働局需給調整事業部長 牧 秀利氏
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日本人材派遣協会中部地域協議会並びに会員の皆さまには、労働行政へのご理解とご協力を賜り、厚くお礼申し上げます。
私が愛知労働局需給調整事業部長に就任してから、約1年半が経過しました。この間の愛知労働局管内の雇用情勢は、就任当初の求人倍率1.8倍台前半から、この7月には1.99倍と着実に改善しましたが、反面、多くの企業では人手不足となっています。
こうした状況の中で、労働者派遣事業報告の集計結果を見ますと、平成29年6月1日現在の派遣労働者数は前年に比べ25.2%増加しており、これは、自ら選んで労働者派遣という形態での就業している労働者が増えてきているのではないかと考えています。
労働者派遣法改正法が平成27年9月30日に施行されてから3年を迎えようとしており、皆さま方におかれましては、改正法に対応すべく取り組んで頂いているところではないかと思います。労働者派遣法はご承知のとおり、法律制定以降、規制緩和の方向で幾度も改正されてきましたが、その中においても、派遣就業は「臨時的・一時的なもの」であること、常用代替の防止を図ることは、労働者派遣法の原則とされてきました。平成27年の改正で、法律条文に「派遣就業は臨時的かつ一時的であることを原則とする」とする文言が加えられ、労働者派遣事業の位置付けが法律上明確にされ、この考えの下、新たな労働者派遣期間の制限として、事業所単位、個人単位による制限が設けられ、派遣先での直接雇用機会確保を前提とした雇用安定措置等が盛り込まれました。
派遣労働者の中には、労働者派遣形態を選んで働く者も増えてはいるものの、他方、直接雇用されることを希望する派遣労働者も多数働いていることはご承知のことと思います。派遣元の行うキャリアコンサルティング等により、派遣労働者の希望を把握し、派遣先での直接雇用の機会を確保する等、雇用安定措置の適切な取組みをお願いします。
また、昨年度から皆さまの取引相手である派遣先には、労働者派遣事業の許可制への一本化による(旧)特定労働者派遣事業の終了、派遣期間制限と期間延長に係る意見聴取等、制度の適正な運用に向けて、周知を兼ねた訪問指導を強化しています。その状況は、平成29年度に訪問指導した派遣先の92.2%に対して文書指導を行い、うち派遣契約関係は51.2%となっています。契約書類の殆どは、派遣元の書式を利用していることを考えますと、非常に残念な結果であります。派遣元である皆さまにおかれましては、常に最新の法令に沿った書式に更新するとともに、派遣事業の専門家として、派遣先へのアドバイスをお願いします。
次に、「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」が6月29日に国会において可決成立し、7月6日に公布されました。
働く方々がそれぞれの事情に応じた多様な働き方を選択できる社会を実現する働き方改革を総合的に推進するため、長時間労働の是正、多様で柔軟な働き方の実現、雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保等の措置を講じることを目的として、労働基準法等の多くの法律が改正されました。
労働者派遣法については、派遣先の労働者と派遣労働者との不合理な待遇差をなくすため、「派遣先の労働者との均等・均衡待遇」又は「一定の要件を満たす労使協定による待遇」の確保の義務化等が規定され、2020年4月1日に施行されることとなっています。政省令の改正は今後となりますので、詳細につきましては決まり次第お知らせすることとしていますが、着実な準備をお願いします。
最後になりますが、派遣労働者の保護に係って、特に外国人労働者の社会保険への未加入等の事例も散見されます。雇用する労働者の雇用管理は事業主の責務であります。適正な雇用管理には、労働者とのコミュニケーションが大変重要ですので、派遣労働者及び派遣先との意思疎通を図りながら、適正な事業運営に努めていただきますようお願いします。
派遣業界の将来に向けて ~中部地域の発展とともに~
中部地域協議会 会長 猿渡 智佐登氏
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本年度より、中部地域協議会会長に選任いただきました猿渡智佐登でございます。初めての大役に戸惑いつつも、会員の皆様にメリットを感じていただけるよう協会の運営に真摯に取り組んで参りますのでどうぞよろしくお願い申し上げます。
今年度は2016年に改正された法律の実施年度にあたります。
働き方改革の流れから、労働契約法の改定、雇用安定措置、同一労働同一賃金の推進と労働者派遣事業を取り巻く環境下で派遣元企業である私たちは、多くの課題に取組みつつ、許可事業者として、コンプライアンスを遵守し変化に順応していかなくてはなりません。以上の事からも引き続き、「派遣法・労働関係法規への対応」を昨年度以上に取組んで参ります。
労働市場はこれから先、様々な変化が、それも加速して進んでいくことが予想されます。私たちに必要とされるのは今まで以上の情報収集力とそれらを取捨選択をしながら派遣労働者の皆様に安心して働いていただけるよう、より一層の努力をしなくてはなりません。
中部地域協議会では、取組として、労働法規等々の改正のポイントや今後の流れなど、日本人材派遣協会との連携による最新情報等のリリースを、迅速かつ、的確に配信をと考えております。また、中部協地域議会ならではの派遣元企業間の情報交換等々を充実させていきたいと考えております。今秋の研修においては、若手中堅の社員の皆様に積極参加をいただけたらと存じます。
会員企業の皆様と共に、派遣業界の成長と、社会貢献の事業であるという認知向上に努め、協議会活動を盛り上げていきたいと思っておりますので、より一層のご理解とご協力をお願い申し上げます。
皆様と共に、成長できること、期待感を以て揚々と進めていけたらと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。
人材派遣業に於ける最新の相談状況について
一般社団法人日本人材派遣協会 事業推進グループ 長尾 明子氏
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日本人材派遣協会では、派遣に関する相談についてお応えする「相談センター」を設置しております。
2015年派遣法改正時には相談件数が大幅に増加しましたが、派遣会社からの相談件数を見ると2016年度、2017年度ともに改正前(2013年度、2014年度)に比べ件数は減少しています。
対象 | 2012年度(派遣法改正) | 2013年度 | 2014年度 | 2015年度(派遣法改正) | 2016年度 | 2017年度 |
---|---|---|---|---|---|---|
派遣社員 | 1,532 | 1,618 | 1,936 | 2,482 | 2,013 | 2,020 |
派遣会社 | 8,773 | 6,305 | 6,426 | 7,514 | 4,484 | 4,570 |
派遣先企業 | 507 | 489 | 526 | 473 | 298 | 336 |
その他 | 402 | 376 | 492 | 369 | 206 | 117 |
合計 | 11,214 | 8,788 | 9,380 | 10,837 | 7,001 | 7,103 |
最近の相談内容の傾向は、2015年派遣法改正から3年を経過することから「事業所単位の派遣期間制限」や「個人単位の派遣期間制限」について、また「雇用安定措置」や「キャリアアップ措置」について、派遣社員からも法的な質問や抵触日後の働き方に関するキャリア相談(無期雇用の転換を含む)をいただきます。
労働者派遣法を派遣労働者へ周知・啓発する際の資料
(厚生労働省のHP( http://www.mhlw.go.jp/)より、ダウンロードしてください。)
「有期雇用派遣から無期雇用派遣に変更すれば、これからも現在の派遣先で働けますよ、と派遣会社の担当から説明を受けました。今まで更新を続けて特に問題はありませんでしたが無期雇用に変更するメリットは何ですか?派遣会社にさらに説明を求めましたがよくわからなかったので教えてください。」
この場合、ご本人が引き続き働くことを希望しているなら、無期雇用転換についてご本人が納得するまで丁寧に説明することが必要ですが、抵触日を迎えるにあたっては雇用安定措置(「派遣先への直接雇用の依頼」や「新しい派遣先の提供」「派遣元での無期雇用」「その他、有給での教育訓練の機会をあたえる等、雇用の安定を図る措置」)について、派遣社員の今後のキャリア希望を踏まえて説明することが重要となります。
なお、労働関係法を派遣社員や派遣先企業に周知・啓発する資料として、厚生労働省で「冊子やパンフレット」を作成しておりますので、是非ともダウンロードしてご活用ください。
派遣契約、労働契約に関することが最も多く寄せられています。中でも契約書に記載された業務内容について、派遣先と解釈の相違がある場合の相談が最も多く、ここで齟齬が生じてしまっていると、後々の派遣就労に影響を及ぼし派遣社員や派遣先からの苦情となってしまいます。業務内容は派遣先としっかりと確認し、相互に納得して契約を結ぶことが大切です。
契約書に記載があるにもかかわらず派遣先から派遣社員の引き抜きが行われて困っているとの相談も多くあります。派遣先との取引関係を良好に継続していくため、契約締結時には、記載項目の趣旨をできる限り丁寧に説明し、派遣先に理解していただく必要があります。特に職業紹介手数料については、トラブルの原因となる可能性が高いので、契約書には必ず記載してください。
また「教育訓練」について具体的に何をしたらよいのか、との相談も寄せられます。日本人材派遣協会では、会員企業が派遣社員に適切な教育研修の機会提供を行うことを支援するため、派遣社員向けeラーニングサービス「JASSAキャリアガレッジ」(有料)や「教育訓練テキストと解説PDF」(無料)を会員サイトで提供しています。是非、協会ホームページをご確認ください。
派遣契約に記載しなければならない契約事項(中途解約、損害賠償の適切な措置、紛争防止措置)などの相談が多くあります。また直接雇用したいが手数料は必要か?もしくは手数料を払いたくないといった相談があります。
派遣を利用される派遣先企業に対しては、気持ちよくかつ適切に派遣を活用していただくためにも、日ごろから良好なコミュニケーションをとり、必要な労働関係法について正しく理解していただけるようしっかりと説明をしてください。
派遣事業の運営等について、困りごと・お問い合わせ等がございましたら下記の相談センターをぜひご活用くださいますようお願い申し上げます。
高﨑愛知労働局長を訪問
中部地域協議会
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中部地域協議会からは、派遣労働者アンケート結果や、労働者派遣事業統計調査の資料から、最近の派遣労働市場についての情報提供及び意見交換を行いました。